「もっとシュートを決めたい」「もっと高く跳びたい」「もっと速く走りたい」など、バスケットボールをする上でより高いパフォーマンスを目指すことは誰でも考えることだと思います。
あなたは、日々のカラダ作りのために意識していることってありますか?
定期的に筋肉トレーニングを行うことは非常に大切です。しかし、それよりももっと大切と言われるのが、「食事」と「休養」です。この記事では、小学生からはじめたいカラダ作りの基本知識として、食事と休養にテーマをおいて解説していきます。
食事で強いカラダを作る
あなたの身体は、あなたが食べたものでできています。バスケットボールは、あなたの身体を使ってプレーするわけですから、1回の食事が勝敗を左右するとまでは言いませんが、あなたの目標に手が届くかどうかは、その1回の食事の積み重ねが重要であることは言うまでもありません。
身体づくりをする上で大変重要な栄養ですが、食べ物をとにかくたくさん摂取すれば良い。ということではありません。人間は身体を動かすためのエネルギーや、身体を作る材料を全て食事によって摂取します。トレーニングに合わせて最適な食事管理ができている必要があります。
消費カロリー量を上回ろう
人間が太る原因のひとつとして、1日の摂取カロリーが1日の消費カロリーよりも多くなることにより起こることは、よく知られています。
では、摂取カロリーが消費カロリーより少ない場合にどうなるのでしょうか?
その場合、あなたの身体をつくるはずだった栄養が、身体を動かすためのエネルギーとして消費されてしまうのです。一時的に体重を減らしたい、またはすでに肥満状態にある人が痩せるダイエットの方法としてはそれで問題ありませんが、「パフォーマンスを上げるための身体を作りたい」という選手にとって、これでは強靭なカラダを作る(筋肉量を増やして体重を上げる)ことはできません。
つまり、身体を作りたいのであれば、消費カロリーよりも摂取カロリーを多くしないとならないため、「食べなければならない」のです。
3大栄養素と食物繊維でコントロールする
3大栄養素とは「糖質」「タンパク質」「脂質」の3つ。
身体を動かすためのエネルギーになる糖質や、身体の材料となるタンパク質や脂質の量をコントロールし、狙った摂取カロリー量にコントロールしましょう。
スポーツする人は、タンパク質は「体重1kgあたり2g必要」(1日の摂取量)と言われています。(体重70kgの場合140g)タンパク質は筋肉の材料となる栄養のため、3大栄養素のなかでも優先順位を高くし、摂取カロリーの大小に関係なく減らさないようにしたい栄養素です。
基本的に1日の摂取カロリーの50%を糖質、残り50%をタンパク質と脂質で分けるようにするとバランスよくコントロールしやすいと言われています。
それと同じく大切なのが「食物繊維」。胃腸の働きを整え、便通の調子を崩さないためにも、1日の目安量である17〜19gを摂取するようにしましょう。
体調管理に必要な栄養素も忘れずに
せっかくカラダ作りをしても、風邪をひいてしまっては練習やトレーニングができず、ライバルに差をつけられてしまいます。ビタミンやミネラルの摂取は体調を整えるために重要なので、スポーツ選手はここまでしっかりコントロールしたいです。
特にナトリウム(塩分)やマグネシウム、カリウムなど、汗により消費するミネラルはスポーツのために重要なので、海藻類などを積極的に摂取しましょう。
食事の回数とタイミング
カラダ作りをするのであれば、できるだけ食事はこまめに摂取するようにし、運動前後は糖質やタンパク質の摂取を欠かさないようにしましょう。空腹の時間をなるべく少なくすることが、身体を大きくする上で非常に大切です。
目安として朝・昼・夕の3回の食事と、運動前後の補食(ゼリードリンクやプロテインなど)、そして寝る前(捕食で良いかと思います)の6回と考えるといいでしょう。
以上の順位で栄養の摂取を管理できたら、良質な身体づくりができると思います。
また、足りないと感じる栄養素はサプリメントなどで補いましょう。
休養で強いカラダを作る
休養は、カラダ作りにおいて非常に大切です。「トレーニングをやればやっただけ結果が出る」そう考えてしまっていませんか?「練習をやればやっただけ上手くなる」という考えが間違っているように、カラダ作りも取り組み方次第で結果が変わります。
筋肉を大きくするために必要なサイクル
すべての人間に共通して、同じ部位に同じ筋肉が備わっています。その大小が個体によって違うというだけです。筋肉トレーニングを行うことによって、その筋群は肥大し、高い出力が可能になります。
では、筋肉はどのような仕組みで大きくなっていくのでしょうか?
- 運動で筋肉が疲労や損傷を受ける
- 筋肉の修復に必要な栄養を摂取する
- 休養している間に、筋肉の修復が行われる
- 以前よりも筋肉が強化・肥大する
この4つのサイクルを繰り返すことで、筋肉は強化されていきます。1~3の内1つでも抜けてしまうと、効率的なトレーニング効果を得ることができません。このサイクルのことを「超回復論」と言います。
休養しないと、どうなる?
中学校や高校、大学で筋トレメニューを取り入れている部活動は多いと思いますが、それを日課のように実施しているチームも少なくありません。
回復に向かっている筋肉に再び強い刺激を与えてしまっては、筋トレの効果は出にくくなってしまいます。また、怪我につながってしまったり、「休むことは悪いことだ」とか「休んだらライバルに差をつけられる」など精神的・身体的に追い込まれてしまうことでバーンアウトに陥り、トレーニングを続けることが困難になってしまう可能性があります。
どのくらい休養したら良いのか?
休養は筋肉を大きくするために大切な工程ですので、別の部位を鍛えたり、思い切って何もせず休むことが結果、成果に結びつきます。トレーニング後の休養は48~72時間が目安とされています。あくまで目安ですので、トレーニング強度によって回復具合は変動します。きちんと栄養を摂取しながら、あなたの身体と相談しながらトレーニングを再開しましょう。
休養中は何もしないよりも、ちょっとだけ動く
筋肉の早期回復には、疲労物質を効果的に排出させた方が良いとされており、主に血流を改善させた方が回復が早いと言われています。なので、休養中は何もしない、よりも「アクティブレスト」にしてみましょう。
ウォーキング、ストレッチ、サイクリング、水泳、交代浴やサウナなども効果的です。
あくまで疲れない程度の負荷で行うことで、より効果が得られます。
睡眠の質を上げる
身体を回復させるのに最も効果的な方法は、睡眠です。睡眠の質を上げることで効率的に回復を目指すことができます。小中高校生の成長期であれば、身長を伸ばすためにも睡眠は非常に重要なパートです。
一般成人は1日7~9時間、子どもは8~10時間が求められると言われていますが、個人差があるので最低限の睡眠時間を確保することは意識されてみるのが良いかもしれません。
以上を参考に、良質な睡眠ができるようになれば、確実にパフォーマンスアップにつながります。是非、習慣化してみてください。
まとめ
バスケットボール選手にとっての食事(栄養摂取)と休養は、あなたが考えている以上に大切です。
試合や練習の後に、仲間とファストフード店に足を運んだり、炭酸入りの清涼飲料水やスナック菓子などで小腹を埋めていませんか?そのせいで、帰宅後の食事が喉を通らないなどの経験はありませんか?
お友達と夜遅くまでLINEなど、スマホ画面を覗いていたり、テレビゲームをしていたり、ついついやってしまっていませんか?
誰もが、「ついつい」やってしまうことを少しでもコントロールできたら、誰でも結果が出てくると思います。学生アスリートのお子様がいる親御様は、これらのサポートについて今一度考えてみてはいかがでしょうか?