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【ミニバス】2027年までにルールが大幅に変わります

ルール
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小学生を対象としたミニバスケットボールにおいて、2027年までに現行のルールが大幅に変更されるという事実をご存知でしょうか?

お子さまがミニバスのクラブチームに所属されている保護者の皆さまや、指導者の皆さまであれば、その噂はすでに耳に入っているかと思います。ただ、「いつから?」「どう変わるの?」など多くの方が疑問を持っていることでしょう。

このテキストでは、現行のルールからどのような変更が予定されているのかを解説して参ります。

  • 現行のミニバスルールの特徴を学べます
  • 2027年までの変更点を確認できます

ルール変更の内容

現行のミニバスルールから、2027年までに変更される内容は以下の3点と言われております。

リングの高さは260㎝から「305㎝」に

現行のミニバスルールではリングの高さは床から260㎝の高さに設定されております。それが2027年までに305㎝(中学生以上のカテゴリと同様の高さ)に変更されます。

ボールの大きさは5号球から「6号球」に

ミニバスの公式大会で用いられるバスケットボールの大きさは5号球となっております。2027年までに、現行ルールでは女子中学生以上のカテゴリで用いられる6号球が採用される予定です。

スリーポイントシュートが適用される

現行のミニバスルールではスリーポイントラインがありません。また、3点シュートの適用もありません。しかし、2027年までに各会場で行われる試合ではリングから6.75m離れた場所にスリーポイントラインが敷かれ、3点シュートが適用される予定です。

ルール変更はいつから?

新ルールへの変更は、2024年4月から3年間の移行期間が設けられています。つまり、すでに段階的に始まっているということですね。ただ、公式大会での適用事例はみられていません。

今後は新ルール導入を希望する団体から順次導入を進め、2027年度末までに全ての団体で完全移行予定です。

各チームの責任者や大会運営者は、会場となる施設の改修状況や参加する選手の技術習熟度を考慮して、適切なタイミングで移行することが望ましいでしょう。

ルール変更の理由

ルール変更について検討が開始されたタイミングは2021年に遡ると言えるでしょう。以下の資料によれば、主に6年生のプレイヤーで、育成センター事業等に参加するような基本的な技術を身に付けている選手においては、各都道府県協会の承認を得た上で規則外の運用を行っても良いという内容が発表されております。

※[参考資料]ミニバスケットボール競技規則外の運用に関するガイドライン より引用
  • バスケットリングの高さを260㎝から305㎝とする
  • バスケットボールの大きさを5号球から6号球とする
  • スリーポイントラインを規定なしから6.75mとし、3ポイントシュートを適用する

上記のようなルール変更を行うことは、選手の成長に応じた適切な技術習得に結びつきます。また、世界の子どもたちは、ミニバスよりも高いリングで、大きなボールで練習している地域が多く存在していることもあり、今回の変更が国際基準との整合性を図り、将来的な選手育成に良い影響を与えることも目的とされています。

ダイアモンドバスケットボールスクールでは、欧米諸国の子どもたちがそうであるように、2015年の当初から高いリングで練習する機会を設けておりました。中学生の準備期間においては特に効果を発揮できるものだと感じていました。

ただ、基本的な技術や身体能力が未発達である選手においては、260㎝の高さのリングで練習する必要があるとも感じておりましたので、今回の変更は育成活動において更なる好循環を生むと考えています。

ルール変更で期待できる効果

ここでは、ミニバスのルール変更後に期待できる効果について考えたいと思います。

リングの高さに関する効果

現行のミニバスのルールでは、バスケットリングの高さは260㎝と定められております。

小学生の身長や身体能力を考慮して、通常のバスケットリングの高さである305㎝よりも45㎝下げることで、上達を目指す子どもたちにとって基本的な技術を習得しやすくすることが狙いです。

しかし、時代が進むにつれて指導者が持つ情報や技術も進歩し、子どもたちの技術や身体能力がひと昔前より格段に上昇しています。これを踏まえ、現在の5年生や6年生の成長期に入った競技レベルの高い選手にとっては260㎝の高さにあるリングはすでに低い状況にあると考えられたのだと思います。

漫画「スラムダンク」で幼少期の沢北栄治(山王工業)が、「こんな子供用、シュート決めて当たり前だもん」とテツ(お父さん)に言うシーンがありますが、まさにそのような感覚ですね。

すでに各都道府県の大会ではダンクを決める選手がいますし、身長の高い選手からすればレイアップやゴール下シュートもハンドリングスキルが高くなくても決められる状態であることが顕著になっていると数年前から感じていました。

305㎝が適用されることでこれらの状況がほとんど無くなり、選手たちはフィニッシュの基礎技術をより高度に身につけていくことが可能になると考えられます。また、ジャンプ力などの身体能力にも更なる影響を与えてくれると感じます。

リングの高さ設定

幼児から小学生までの間は、選手の成長度合いや年齢に応じた高さ設定で練習することで、基本的な技術を効率的に習得できると思います。

例えば、小学校1年生から3年生まで(U-9)は、現行のミニバスルールである260cmを維持し、4年生から275cmに引き上げ、より実践的な技術習得を目指します。5年生以上は305cmとし、国際ルールと同様の高さでプレーします。

高さが自由に調整できるリングの需要はこれから増えてくるのではないでしょうか。

ボールの大きさに関する効果

使用されるバスケットボールが5号球から6号球になることは、ハンドリング力の向上やシュートの飛距離向上に影響を与えるかと思います。

また、ミニバスの5号球から、中学生で7号球へと急にサイズアップしている現行のルールではなく、6号球を使用して段階的にサイズアップを図ることで、カテゴリの移行がスムーズになるのではと感じています。

スリーポイントラインに関する効果

スリーポイントラインができることで、選手は正しいスペーシングでプレーすることが容易になります。

また、現代バスケットボールでは、それぞれのプレイヤーがオールラウンダーであることが多く、5人それぞれに「ガード」「フォワード」「センター」のポジションが設けられているものの、センターがボール運びを行ったり、3ポイントシュートを打つシーンも試合の中ではみられるようになりました。

すべての得点が2点であれば、身長の大きい選手をゴール下にポジショニングさせれば有利になってしまいます。また、ディフェンスにおいてはペイントエリア内にポジショニングして守れば、相手チームに確率の悪い外角シュートを打たせることができ、それがたとえ決まったとしてもゴール下と同じ2点であれば、1on1のディフェンスは本来必要なプレッシャーをかけずに勝利できることもあったでしょう。

スリーポイントシュートがあることでこれらを是正できる可能性は十分にあります。

ルール変更に伴う準備

ミニバスケットボールのルール変更に伴って、各位準備していく必要がある内容についてまとめております。3つの観点から確認をしていきましょう。

施設の改修と備品(消耗品)等の整備

体育館やレンタルコートでは、基本的にバスケットゴールは305㎝の高さで設定されており、高さも260㎝やそれ以上に下げられるものがほとんどです。まれに調節不可の場合がありますので、そのような施設は予算を組み計画的に準備していく必要があります。

問題は、学校施設です。小学校の体育館は既存のバックボードが260㎝で取り付けられており、高さ調整がきかないものが多くあります。

こちらに関しては高さ調節が可能な可動式リングを導入していくか、自治体の予算で改修していく必要があります。また、設置されるまでの期間においては、地域の体育館等と連携して、低学年と高学年で練習場所を変えるなどの工夫も必要かもしれません。

ボールの貸出しを行っている施設は、6号球をこれまでよりも多く準備しておく必要がありますね。

スリーポイントラインも、敷かれていない施設においては準備する必要があります。日本バスケットボール協会が2021年に発表している内容を参考にして準備を進めることを検討されてみてください。

※[参考資料]ミニバスケットボール競技規則外の運用に関するガイドライン より引用

選手・保護者への説明

各チームの指導方法や方針によりますが、リングの高さを習熟度に合わせて変えることのメリットを選手と保護者に理解してもらうことは非常に大切です。

また、6号球の購入についても、チームで予算を組んでいない場合は各ご家庭での負担になることを踏まえ、十分な事前説明が必要となるでしょう。必要であれば、保護者を開催して各保護者の皆さまからの協力を得られるように環境をつくっていくことも重要かと思います。

指導計画

これまでよりも、より個々のスキルや成長度合いをみながら指導していく必要が出てきます。指導者はルール変更を考慮した練習計画を立て、選手個々の技術レベルや体格に応じた調整が必要となります。

指導計画や練習内容を今一度見直して、ルール変更に準備していきましょう。

今後想定されるルール変更について

今回のルール変更によって、3秒ルールや24秒ルールなどのバイオレーションは国際ルールに統一されていく可能性はあると考えられます。また、フロントコートやバックコートの概念も適用されていくかもしれませんね。

育成年代に求められるフィニッシュ力とトランジションにおいては良い影響があると考えられますので、これから先の未来、日本のバスケットボールがより発展していくことを願います。

やまぐちコーチ
やまぐちコーチ

バスケットボールの試合は、第1Qの内容が試合の勝敗を決定づける可能性が高いと言われています。ミニバスでは、第3Qから出場者の制限がありませんが、個人的には第2Qと第3Qに制限を設け、第1・4に制限を設けない方が良いのでは?と思っています。皆さまいかがでしょうか?

まとめ

ミニバスルール変更について解説させていただきました。日本協会からの正式な発表等については、まだ詳細が不明瞭な点も多い中ですので、今後の動向に注目しましょう。

何はともあれ、日本のバスケが前に進むための変更です。みんなでより良い環境を目指し、各団体の方針に従って柔軟に対応していきましょう。

情報の更新があれば、こちらの記事に追加して参ります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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