NBAやGリーグで活躍している河村勇輝選手のプレーを、あなたは観たことがありますか?
身長172㎝と小柄ながら、正確無比な3ポイントシュート、鋭いドライブインと、平均身長2mをゆうに超える相手ディフェンスの中を一寸法師の如く立ち回る姿が印象的です。
しかし、その真骨頂は相手ディフェンスをあざむく「ノールックパス」にあります。
そのパスは独特なリズムで、味方の動きをまるで背中で見ているように、目線とは真逆の方向に繰り出されます。観客はその華麗なパスに思わず立ち上がってしまうほど。
このテキストでは、河村勇輝選手が得意とする「ノールックパス」について解説して参ります。
- ノールックパスの基本ノウハウを学べます
- ノールックパスの仕組みを学べます
ノールックパスのメリット
チームメイトを見ずにパスを出すノールックパスのメリットは、相手ディフェンスの反応が遅れるところにあります。
相手ディフェンスは、オフェンスプレイヤーの目線や顔の向きに瞬間的に反応します。それをフェイクとして使い別の場所にいるチームメイトへパスを出すため反応が遅れる、または全く反応できない状況を作り出すことができます。
では、実際のところ、本当にチームメイトを見ていないのでしょうか?
ノールックパスの基本ノウハウ
直接視野と周辺視野(間接視野)
ノールックパスを成功させる鍵は、ボールを保持しているプレイヤーの視野の使い方にあります。
対象物に焦点を当てて、はっきりと見る時の視野のことを直接視野と呼びます。シュートする時を思い描いてみてください。ゴールは直接視野で見ているはずです。
パスをする時はどうでしょうか?基本的にはターゲット(配球先のチームメイト)の動きを直接視野で確認したり、お互いに目線を合わせるなどの行動を自然に行っているかと思います。
ノールックパスに必要な「もうひとつの視野」を“周辺視野”と呼びます。周辺視野とは、直接ターゲットに焦点を当てた時、周りにぼんやりと見える視野のことを指します。
直接視野をフェイクとして使う
ノールックパスにおいては、直接視野を「フェイク」として使います。
パスを出す直前、プレイヤーの直接視野はターゲットではなく別の場所を捉えます。相手ディフェンスが直接視野に反応していることを確認しながら、周辺視野で捉えているターゲットから最終的には目を切りながら(視界から外しながら)パスを出していきます。
つまり、ノールックパスの基本はターゲットを周辺視野で捉えている=見ていないようで実は見ている状態でパスを出していると言えます。
ノールックパスの基本的な考え方 | 直接視野と周辺視野(間接視野)
ノールックパスを使ってみよう
ノールックパスを狙いたいシーンを以下に紹介します。
ドライブを仕掛ける時
ドリブルドライブを仕掛ける時、あなたの直接視野はどこに向いていますか?
直接視野をゴールに向けることで、周辺視野にチームメイトや他の相手ディフェンスが見えるはずです。
カバーディフェンスがこちらに来た瞬間、あなたの周辺視野には瞬間的にフリーのチームメイトが見えるかもしれません。このタイミングで、チームメイトの方向を見ずにパスを出します。
パスを受け取る時
チームメイトからパスを受け取る瞬間、次のパス先の選択肢をいくつか用意しておきます。
その時、その中のひとつの選択肢であるターゲットを直接視野で見ましょう。そして別のチームメイトを周辺視野で確認しておきます。相手ディフェンスがあなたの目線などに反応しているか同時に確認しましょう。
直接視野で見ているプレイヤーにはパスを出さず、周辺視野で見えているフリーのチームメイトにパスを配球することでディフェンスの裏をかくことができます。
ディフェンスの動きでターゲットの動きを予測する(上級編)
ノールックパスも上級編になると、ターゲットとなるチームメイトの動きを予測して捉えることも可能となります。
「チームメイトだから動きの癖が分かる」だったり「阿吽の呼吸」的な感覚というのももちろんあるのですが、上級者はディフェンスの反応を確認しながら、それをミラーにして、オフボールマン(ボールを持っていないチームメイト)の動きを視界の外で捉えるのです。
パスの上級スキルではありますが、日頃の鍛錬で習得できるようにチャレンジしてみましょう。
まとめ
相手ディフェンスをあざむき、会場を盛り上げるノールックパスをご紹介しました。
ノールックパスはボールゲームにおける魅力のひとつです。そしてパススキルの高さはどのカテゴリでも求められる大切な要素です。ぜひ練習されてみてくださいね。
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