ポイントガードに必要なスキルとは、何でしょうか?
ドリブルやシュートのスキルだけではなく、「資質」も含めて考えてみましょう。どのような選手がポイントガードとして向いているのでしょうか?
バスケットボールにおけるポイントガードとは「コート上の監督」とも言われ、チームを指揮し、ゲームメイクを行う役割です。また、監督・コーチの考えやチームの方針、戦術を理解して実行する時にリーダーシップを発揮できる選手のことです。
このテキストでは、ポイントガードに必要なスキルを学びます。
- ポイントガードに必要なスキル=資質を学べます
- リーダーシップの磨き方を学べます
ポイントガードの資質7選

コート上で必要なポイントガードの資質とは何でしょうか?ここでは7つの資質をご紹介させていただきます。ひとつずつ確認していきましょう。
声によるリーダーシップ
「コート上の監督」として常にチームメイトを鼓舞し、流れを把握しながらゲームコントロールを行うポイントガードにとって、声によるリーダーシップは最も重要な資質のひとつです。
ポイントガードが声を出さずにプレーすれば、フォワードやセンターなど他のチームメイトは「何をして良いのかわからない状態」になってしまいます。
もちろん、ポイントガード以外が声を出してはいけないかということではありません。全員がコミュニケーションをとる中で、その中心=リーダーであり続ける力を持っています。
シュートファーストプレイヤーではないこと
ポイントガードは、ゲームを俯瞰(ふかん)して見る力を持っています。
ひとたびボールを保持すれば、自らがシュートすることを第1に考え、それ以外の選択肢が見えなくなってしまうようでは務まりません。(チームには役割があるので、シュートファーストプレイヤーも必要です)
献身的(時に自らを犠牲にする)にプレーし、チームメイトの長所を活かしてパスを配球できるのがポイントガードです。相手ディフェンスの目線や位置を自身の動きに注目させるようコントロールした上で、チームメイトのオープンを作り出すことができます。
コーチや監督との関係を構築している

「コート上の監督」と前述したように、優秀なポイントガードは指導者との信頼関係を構築しています。ポイントガードは、指導者の理念や戦術をコート上の5人で体現するためのリーダーとなる力があります。
そのため、日頃からコーチや監督とよく会話をし、良好な関係を築いています。
指導者の言う事を鵜呑みにするだけではありません。
時に、自らの考えやチームメイトの意見を取り入れて、ディスカッションすることもあります。決して文句を言う訳ではありません。「チームの勝利」や「目標の達成」に向かい、自分の考えを指導者に伝えることも信頼を得るために必要な行動だと、優秀なポイントガードは知っているのです。
高いバスケットボールIQ
日頃からコーチや監督とコミュニケーションを図り、時にディスカッションをするためには、バスケットボールのことをよく理解している必要があります。
プレーする上でも、チームメイトの誰よりも高いバスケットボールIQ(知能指数)を持ち、ゲームの中は状況に応じて良い選択を繰り返すことができます。高いバスケットボールIQを持ち合わせているが故、指導者の考えていることや戦術をよく理解することができます。
正確で、シンプルなパスを心がける
ポイントガードは、正確でシンプルなパスを配球します。
奇をてらったパスをいつも狙っているわけではありません。チームメイトの位置、ディフェンスの位置、状況を把握して、不必要なドリブルをすることなく、ボールの流れを生み出す源泉となります。
また、ポイントガードはこの「正確で、シンプルなパス」がどれだけ難しいスキルかを知っています。そのため、常日頃からチームメイトとコミュニケーションを密に図り、ドリブルやシュートだけではなく、パスのスキルも磨き続けます。
高いハンドリングスキルとシュートスキル

ポイントガードは、シュートファーストプレイヤーではないと前述しましたが、誰よりも高いハンドリングスキルと、シュートスキルを持っています。
常に落ち着いていて、全体を俯瞰して見れる、ゲームをコントロールする=支配する。
ゲーム中に高いメンタル状態を維持するために必要なことは「最後は自分でなんとかできる」という自信です。自らクリエイトできる。フィニッシュスキルに自信がある。だからこそ、チームメイトを活かすことができるのです。
パッション
ポイントガードは、バスケットボールに対する「情熱」を人一倍持ち合わせています。
日頃から常にバスケットボールのことを考え、自宅や学校でもバスケットボールに飢えています。
情熱が人を惹きつけます。情熱がある人は、魅力的です。それはバスケットボールだけではありません。
リーダーとしてプレーする立場にある人間として、「絶対、負けない」「絶対、達成したい」「オレたちは、強い!」と信じる心=情熱をもってバスケットボールと向き合います。
リーダーシップを磨くには?

優秀なポイントガードは、コート上だけではなく普段の練習から、そして日常生活から、バスケットボール以外でも力を発揮することができるリーダーシップを磨いています。
リーダーシップを磨くためには、以下の4つの事柄を意識していきましょう。あなたが現在持つ「素質」のスキルアップは、コートの外でも可能です。
自分から進んで動く
周りのことにいち早く気が付き、自ら進んで行動することは大切です。
クラスメイトが困っていたら手を差し伸べたり、クラスのリーダーに自ら率先して立候補したりなど、日常生活でもすぐにできることがあるはずです。
自分から進んで動くことが、バスケットボールにおいても「行動・決断のスピード」に影響を与えます。
傾聴力を高める
傾聴力=人の話を理解したり、相手の気持ちに寄り添う力です。
普段から聞く力を高めておくことは重要です。ただなんとなく聞いていることではありません。その内容をきちんと理解していることが前提です。
学校生活であれば、授業で先生の言っていることや内容を理解することがそのひとつです。また、友人の話を聞く時も、その内容や相手の気持ちを理解してあげましょう。あなたの気持ちを大切にしながら、周りの気持ちが理解できるようになれば、バスケットボールのゲーム中でも、チームメイトの気持ちを汲み取れるようになります。
ポジティブ思考
ポイントガードの素質がある選手の多くは、前向きに物事を捉えることができます。
試合の中で、思うようにいかない状況が続くことはあります。その時、チームメイトを鼓舞し続けながら流れを呼ぶことのできる存在である必要があります。
常日頃から、失敗をしてもそれを成長の糧と捉えられるようなポジティブ思考を育てておきましょう。それは意識することから始まります。くよくよしない、過去にとらわれない、物事を良い方向に進めようとする力はバスケットボールにおいても、人生においても必ず活きてきます。
周りの変化に気づく
あなたの周辺で起こっていることに気が付けるようにすることが大切です。
ポイントガードにとって、視野の広さに長けていることは重要です。ゲームを俯瞰して見ることができるほどの視野を持つことができれば、きっと活躍できるでしょう。
些細なことでも構いません。友人が髪の毛を切ってきたその日に声をかけたり、バッシュを新調したチームメイトとシューズの話で盛り上がるのも良いでしょう。そして、チームメイトの成長にも目を向けられたらリーダーとして素晴らしいと思います。
仲間のことを思いやり、仲間の変化(スキルの上達や、気持ちの変化)にいち早く気が付き、コミュニケーションがとれる。チームメイトと良好な関係づくりができるのも、変化に気づくことができるからです。
まとめ
ポイントガードに必要なスキルについて紹介させていただきました。
スキルと言っても、バスケットボールスキルだけではなく、ヒューマンスキルが非常に大切であることを感じていただけたかと思います。
バスケットボールを通じて、人は成長することができます。そして、生きていく上で大切なことのすべてを学ばせてくれます。あなたが日々取り組むバスケットボールの魅力は、実はそのようなところにあるのかもしれません。

