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あなたには「夢」や「目標」がありますか?

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これから長い人生を自分らしく生きていく中で、今のあなたには「夢」「目標」がありますか?

このテキストでは、「夢」や「目標」についての考え方をお伝えしていきます。プレイヤーや指導者の皆さまは参考にしていただければと思います。

  • 「夢」と「目標」の違いが学べます
  • 夢を叶えるために大切なことが学べます
  • あなたの明日が変わるかもしれません

夢は、叶わない人がほとんど?

出鼻を挫くようですが、これが現実です。あなたが幼少期に叶えたかった夢は何でしょうか?

パイロットになりたい、学校の先生になりたいなど、「大きくなったらなりたい」を幼いながらに想い描いていたはずです。その夢は叶いましたか?おそらく、ほとんどの人が叶えていないと思います。

なぜ、あなたの夢は叶わなかったのでしょうか?

「夢」が「夢」で終わる人の特徴

「夢は叶う」という言葉を過信している人は非常に多いと思います。

NBAプレイヤーの渡邊雄太 選手は小学校1年生から想い描いた「NBA選手になる」という夢を叶えました。当時の同志(NBA選手になる夢を描いた周りのチームメイト)全員がその夢を途中であきらめても、渡邊選手だけはあきらめずに想い続けた結果、NBAにたどり着きました。

このエピソードは有名ですが、多くの人が「夢は想い続ければ(あきらめなければ)叶う」という側面だけを見て、エピソードの内側に何があるのかを理解しようとせず、ただそれを信じてしまうことです。

また、問題はその言葉を親や指導者が次世代に連鎖させてしまっている部分にあります。

その結果、SNSやYouTubeで「すぐにお金持ちになれる方法」とか「あなたの夢が叶うノウハウをお伝えします」のように、お手軽に成功できるのでは?と勘違いを生む投稿やアカウントに手を出したり、成功している人のシンデレラストーリーが自分にも起きることを信じている、みたいな夢=錯覚を抱く人を量産しているのです。

夢を夢で終わらせないためには、夢や目標と現在地を正しく理解し、正しいプランを立て、正しいビジョンを持って努力していく必要があることを、大人は伝えていかなければなりません。

「夢」と「目標」の違い

あなたは、夢と目標の違いを説明できますか?様々な解釈がありますが、このテキストでは以下のように定義します。

夢 = 今の自分では到底たどり着けない場所

目標 = 努力すればたどり着ける場所

この考え方をすれば、最終的に夢を叶えるための「指標」を、目標と捉えることができます。つまり、目標を達成し続けた先に、本当の成功が待っているということです。

夢があっても、目標が無ければ、その夢は叶いません。

アメリカの作家であるワシントン・アーヴィング(1859年没)は、「夢より目標」という格言を遺しています。
自分のやりたいことを、何となく漠然とした「夢」に置き換えて、妄想して現実逃避するのではなく、現実的な達成できる「目標」とすることで、実現に向けて動きだすことができるのです。

目標を立てよう

大きな夢を思い描いたら、小さな目標を立ててみましょう。もちろん、夢など無い人でも大丈夫です。最終的なゴールにつながるかもしれない、努力すれば達成できそうな小さなゴールです。

中長期でゴールを設定しよう

例えば、夢が「プロバスケットボール選手」の場合、その夢を叶えるための期間はそこまで長くないと思います。早ければ18歳~22歳の間でプロ契約の話をもらう選手がいますし、トッププロ(B.LEAGUE)で数年活躍することを目指すのであれば、遅くても25歳くらいまでに契約をとれなければなりません。

あなたが13歳であれば、残された時間はあと12年です。中学で3年間、高校で3年間、大学で4年間(留学なども視野に入れながら)を過ごすとすれば、それだけで10年です。

ここまで考えるだけで、どのような学生生活を過ごす必要があるかどこの高校や大学に進学するべきなのかを真剣に選択していく必要があることに気が付きます。

すでに中学生であれば、どの高校に進学するか?これをまず目標として設定すると良いでしょう。中学を卒業する時点で、あなたがプロを目指していることを理解し、本気で協力してくれる指導者を探すことです。高校進学に偏差値が足りないのであれば、バスケットボールと勉強を両立させる必要があります。そもそもプロ選手は基本的に高いIQを持ってプレーしていますから、一般常識はおさえておくべきでしょう。

こういったことを考えながら、今から3年後、6年後、10年後と中長期の目標を立ててみましょう。

短期でゴールを設定しよう

次に、短期の目標を考えてみましょう。「今年、何を達成するか?」や、1年程度の期間で「いつ、何を達成するか?」です。

バスケットボールであれば、「リングタッチできるようになる」とか「フリーの3ポイントシュートを10本連続で決める」など、あなたの夢につながる目標です。

学校生活であれば、「クラスで上位の成績をとる」とか「テストで平均80点をとる」など、こちらも間接的にあなたの夢につながる目標です。

目標設定の際に必ず行って欲しいことは「あなた自身の現在地を知る」ことです。3ポイントシュートを10本打って2本しか入らない場合、10本連続で決めるという目標は無謀に聞こえます。テストで平均50点しかとれていない場合、いきなり80点を目標にすることは……お勧めしません。

一見、無茶な目標設定でも達成できてしまう優れた人もいます。しかし、先にも述べましたが、あくまで目標とは“努力すればたどり着ける場所”です。現在地と目標までの距離と時間を考え、頑張れば達成できる、でも怠けたら達成できないギリギリラインを設定することをお勧めします。

今日、何をするか決めよう

短期目標が決まったら、さらに落とし込んでいきます。「今月は何を達成するか?」「今週は何を達成するか?」というように、より細かく目標設定します。この目標は、短期目標を達成するための指標です。

そして、本当に夢を実現してしまう人は、「今日、何を達成するか?」ということを常に考えています。

大切にするべきは、「今」この瞬間です。あなたがこのテキストを閉じた後に、「明日から目標を決めてやってみよう」と考えるのであれば、夢は猛スピードであなたから離れていきます。

プロアスリートに必要なことは、「トレーニング」「栄養」「睡眠」です。

プロを目指す学生に必要なことは何でしょうか?

あなたは今日、何を達成しますか?

ビジョンを持てば、目標は変わる

ここまで目標設定の話をしてきましたが、あなたが設定した目標は達成できないことがあります。それでも問題はありません。問題なのは、目標が達成できなかった時にいつまでも悔やんだり、最終的なゴールである「夢」をたやすくあきらめてしまうことです。

あなたが生きていく上で、あなたが設定した目標はむしろ変わっていくものだ、変えていくものだと思っておいた方が良いでしょう。目標を達成すれば次の目標を考えますし、目標が未達でも、次の目標を考えて進む必要があるからです。

大切なことは、ビジョンを持つことです。ここで言うビジョンとは、“あなたの方針”です。会社で言えば経営方針、コンセプトのことです。あなたは何になりたいのか?何をしたいのか?どんな大人になりたいのか?どんな未来を描いているのか?どこに進みたいのか?

あなたのビジョンが、あなたにとっての道しるべになります。ビジョンが明確であればあるほど、あなたの目標はより明確になるはずです。

指導者の「夢を持とう」は無責任?

特にスポーツの現場では、指導者が選手に「夢を持とう」ということを伝えることがあります。この発言について、皆さんはどう思われますか?

この発言に対して“無責任だ”と感じてしまう人は、もう少し自分を見つめなおす必要がありそうです。

確かに、夢を持つこと“だけ”では、現実から逃げて「夢=錯覚」を抱く人を量産してしまう、ということは前述しました。しかし、夢を持つこと自体は、夢への第一歩を踏み出したことと同義です。

「夢を持とう」をきっかけに選手が何らかの夢を持ったなら、指導者の方はこのテキストを参考に夢を叶えるために必要なことをぜひ伝えてあげて欲しいと思います。

「夢」や「目標」は無理やり作るものではない

やまぐちコーチ
やまぐちコーチ

私たちが日頃から関わっている子どもたちは、純粋に体を動かしたり、ボールを使って仲間と遊ぶことが楽しいと感じて、誰よりも「今」を一生懸命に楽しんでいます。

夢を持つこと、具体的な目標を持つことは、「生きる力」につながると思います。しかし、夢や目標は無理やり作るものではありません。「今、この瞬間に全集中力を注ぐことができる」という経験がいつか、夢や目標ができた時の大きな原動力となります。

だから今、速く走れなくてもいい。高く飛べなくてもいい。へたくそでいい。でも、一生バスケを続けたくなるくらい、バスケのことが好きになれるような指導を目指して、選手たちの「バスケ愛」を育てることができた時、子どもたちはいつの間にか夢や目標を持つようになります。

まとめ

「夢」と「目標」についてお話させていただきました。何歳になってからでも、夢や目標を持って毎日を過ごすことは、人生を輝かせてくれるはずです。子どもから大人まで、このテキストをぜひ参考にしていただき、あなたの生活を充実したものにしていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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