ディフェンスをする際は、守備的に相手オフェンスがやりたいことを制限していくだけではなく、攻撃的にボールを奪いにいくことで相手チームがボールを保持している時間を減らし、自チームにチャンスをより多くもたらすことができます。
このテキストでは、攻撃的なディフェンススキル「スティール」について解説します。
- スティールが狙いやすいタイミングを学べます
- 守備的ディフェンスから攻撃的ディフェンスにシフトできます
- 自チームに良い流れをもたらすことができます
スティールとは?
スティール(steal)の言葉の意味は、「盗む」です。
え?「盗む」だなんて、そんなことしてはいけないよね??
バスケットボールにおける「スティール」は、相手が保持するボールを奪いとることを指します。両手・片手で保持しているボールを奪う、ドリブル中のボールを奪う、パスをカットして自チームのボールにする。これらはスタッツ(個人の試合成績)にスティールとして反映されます。
そうなんだね!ということは・・・試合中にスティールできれば、勝てる可能性が高くなるってこと?
その通りです。スタッツに載るということは、チームを勝利へ導くために重要な要素になります。
スティールできるようになりたいな!コーチ、僕たちにも教えてください♪
それでは、スティールが狙える!4つのゲームシチュエーションをみていきましょう。
スティールが狙える!4つのゲームシチュエーション
キャッチの瞬間を狙おう
オフェンスが味方からパスを受けた瞬間、つまりキャッチ際にスティールは狙いやすくなります。キャッチからシュート、キャッチからドライブ、キャッチからパスと、プレイヤーは次の選択肢を考えなければならない分、この瞬間に隙が生じていることがあります。
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リバウンドキャッチの瞬間もスティールは狙いやすいです。リバウンドをとったプレイヤーがボールを下に降ろした瞬間や、空中から地面に着地する瞬間です。相手の前に潜り込むような形でスティールを狙うとチャンスが生まれます。
トレースを使って狙おう
オフェンスが保持しているボールに手をかざしてプレッシャーをかける「トレース」を使って、いつでも隙をつけるように準備します。
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シュート、ドライブ、パスに対応できるように準備しながら、左右の手を使ってトレースします。相手が少しでも隙をみせれば、その瞬間を狙ってスティールしましょう。
ボールが手から離れた瞬間を狙おう
スティールは、しっかりと練習を積めば様々なタイミングで狙うことができます。しかし、ファウルのリスクが存在することも理解しなければなりません。より安全にボールを奪いたいのであれば、ボールが手から離れた瞬間を狙ってみることをお勧めします。
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オフェンスの手がボールに触れている時よりもファウルのリスクは少なくなります。
シュートモーション中を狙おう
ドリブルや味方のパスからシュートに入る瞬間=シュートモーション中は隙ができやすくなります。
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ドリブルからプルアップに移る瞬間、パスミートからシュートへ移る瞬間、レイアップシュートのモーション中などを狙いましょう。
ただし、ここでファウルをしてしまうとシュートファウルでフリースローを与えてしまいますので、リスクを理解した上で行いましょう。どちらの手でスティールを狙うのか?が成功の鍵です。
スティールを行う際の注意点
最後に、スティールを行う際の注意点を解説します。相手のボールを奪い、自チームにチャンスをもたらすことができるスティールですが、同時に注意しなければならないことは存在します。
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ファウルのリスクがある
クリアにスティールできれば良いですが、相手の腕を叩いてしまうなどのファウルのリスクがあります。ファウルをしてしまうと、個人ファウルが1つ加算(1試合を通じて5回ファウルで退場)され、さらにチームファウルが1つ加算(各ピリオド毎5回目からすべてのファウルがフリースローになってしまう)されてしまいます。また、シュートモーション中のファウルの場合、相手チームにフリースローが与えられます。
闇雲にボールを奪いにいけば、ファウルの危険性は高まります。しっかりと練習して、「ココだ!」というタイミングでスティールを行うことが大切です。
どちらの手を使うのか?
相手が右手でドリブルしている時は、どちらの手でスティールを狙うのか?など、シチュエーション毎にスティールを狙う際に使う手はどちらの方が良いのかを考えなければなりません。
使う手を間違えてしまうと、相手にドリブルスキルで置き去りにされてしまったり、ファウルをしてしまうリスクがありますので注意が必要です。
まとめ
ディフェンスの成功の定義は、「相手チームに得点を許さず、自チームの攻撃につなげること」だと思います。つまり、相手チームのシュートを外させ、ディフェンスリバウンドをとることも成功ではあります。しかし、相手チームにターンオーバーさせるディフェンスは、シュートを打つことさえ許さない攻撃的なディフェンスでチームをより確実に勝利へつなげることができます。
このテキストを参考に、あなたが試合でスティールを成功できるようにぜひ練習していただければと思います。